付き合い始めてしばらくは、この関係性がどうなるかわからないので、息子には一切言いませんでした。
長いお付き合いになりそう。と確信して、それでも、まだ言いませんでした。相方には、わが街に入ることも禁止しておりました。ばったり会って息子に目撃されたりしないためです。また、友人にも信頼できる一人にしか教えてなかった。
コソコソしたわけではまったくない。ただ、1.関係性に確信を持てている ときに、2.きちんと、明確に息子に伝える ことをしたかった。それをできないままに、誰かから聞いちゃった、とか、見ちゃった、とか万が一あったとき、息子はどんなに傷つくことでしょう。
ただでさえ、大好きだったパパとママが別れて、傷を負っている息子。傷口に塩を塗るような行為ですよ。
これに関しては、相方と二人で、カンペキに準備しました。準備した計画はこれ。
二月にクロッカス休暇というのがあるんですが、その休暇の前のママの週の始まりに、相方の存在を伝えました。
「ちょっと来てちょうだい。ママ、Kとぎゅっとしたいから。」ぎゅっとしながら、「ママね、Kちゃんに伝えないといけないことがあるの。あのね、まずね、何があっても、Kちゃんがママのナンバーワンだからね。」と言ってから、もう一回ぎゅっとしました。しばらくぎゅっとしてると、「ママ、どうしたの?」と不思議そう。深い息をしてから、「ママにね、彼氏ができたんだよ。」と意を決して言いました。でもね、Kちゃんが一番なんだよ。」ともう一度繰り返しました。息子はぎゅっとした腕をほどいて、ママの顔を見て言いました。「ぼく、気にしないよ。ぼく、嬉しいよ。よかったね。」満面の笑顔で言ってくれたんです。
どんなにほっとしたか!
どんなに大人な反応なんだろう、この子は、と、私のほうが見守られているような気分になりました。きっと、これまでこの子が参加してきた自助グループなんかで、時間をかけて、気持ちの整理をつけてきたのかな。だって、こんなにも潔い反応は、大人にだってできないと思う。
(この子が参加した自助グループとかサポートグループに関しては、また書けるといいなと思います。)
休暇直前の週末日曜日に招待しようと提案し、「あなたに、街を案内してもらいたいんだけど、ルートを考えてくれない?今まで、この街に来たことが一度もない人だから。」と息子に頼みました。当時8歳だった息子は、一生懸命にルートを考え、紙に書いて、おさらいしていました…(今思い返してもその一生懸命な姿に涙が出ます)。
当日。息子は洋々と先頭に立って街を闊歩し、自分にとって大切な街のすみずみを説明してくれました。自分の通っている学童への裏道とか、ケバブが一番おいしいお店とか。
そしてその週末が終わって、月曜から一週間クロッカス休暇をパパのうちで過ごしたKくん。
どうしてこのような計画にしたかというと、
やはりショックはいかほどかと思ったんです。クロッカス休暇、学校がお休みで、パパのうちでゆっくりしてもらうことによって、パパと、ママの新しいパートナーにあったことをお話ししてもらったり、そうすることで、パパとの時間を緩衝材にしてもらったんですね。
結果は、大成功でした。
パパのうちから帰ってきた息子は、この新しい事実をインテグレートできたようなゆっくりした顔をしていました。